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マロウの訪問看護通信

皆さんこんにちは!

マロウ訪問看護ステーションの更新担当の中西です。

 

 

~“病院ではなく家で過ごしたい”~

 

みなさんは「訪問看護」と聞いて、どんなイメージがありますか?

  • すごく重い病気の人だけが利用するサービス?

  • 高齢者だけのもの?

  • なんとなく“最後の手段”っぽくて、少し怖い…

そんなふうに思われることも少なくありません。

でも実は、訪問看護は

“病院ではなく、できるだけ家で自分らしく暮らしたい”
という願いを支える、とても心強い存在なんです✨

このブログでは、
訪問看護の役割や、実際にどんなことをしているのか、
そして「こんな人にこそ知ってほしい」というポイントを、
なるべくやさしくお話していきます


1. 訪問看護は「病気を診る」だけじゃなく「生活まるごと」を支える

病院の看護師さんは、主に“入院中の医療”を支えます。
一方、私たち訪問看護師は、
**「その人の暮らしの中に入っていく看護」**をしています。

家に伺うと、まず目に入るのは、病気ではなくその人の“生活風景”。

  • どんな椅子に座っているのか

  • ベッドの高さは合っているか

  • トイレやお風呂に行く動線はどうか

  • 一緒に暮らしている家族の表情はどうか

こうした“生活のディテール”を一つひとつ見ながら、

この人が「少しでも楽に」「少しでも安心して」
家で過ごせるようにできることはなんだろう?

と考えていきます

訪問看護は、
「病気」ではなく「人」を見る仕事です。


2. 訪問看護で実際にしていることって?

「来てくれるのはありがたいけど、具体的には何をしてくれるの?」
そんな疑問もありますよね。

訪問看護で行っていることは、本当に幅広いです

◆ 医療的なケア

  • 血圧・体温・脈拍・呼吸状態などのチェック

  • 点滴・注射・内服薬の管理

  • 傷や床ずれの処置

  • 人工呼吸器・在宅酸素・ストマ・胃ろうなどの管理

  • 痛みや苦しさへの緩和ケア

◆ 日常生活のサポート

  • 入浴や清拭(体拭き)のお手伝い

  • 着替えや整容(髭剃り・髪のケア)

  • 食事の様子を見ながら、むせ込みや嚥下状態をチェック

  • 排泄のトラブル(便秘・失禁など)の相談

◆ ご家族へのサポート

  • 介護の仕方のアドバイス(体の起こし方、移動の手伝いなど)

  • 夜間や急変が心配なときの相談先の説明

  • 介護者の不安や疲れを聞く“心のケア”

◆ その人らしさを支えるケア

  • 「お孫さんに会いたい」「最期まで家で過ごしたい」などの希望を聞く

  • 趣味を続けるための工夫(編み物・ガーデニング・テレビの位置調整など)

  • 行事や記念日に向けた体調調整(誕生日・法事・家族イベントなど)

…こうして並べてみると、
“看護+介護+家族支援+生活コーディネート”
という感じかもしれません


3. 訪問看護を利用するのはどんな人?‍

「うちの家族も対象になるのかな?」と気になる方へ、
よくあるケースをご紹介します。

高齢になって、通院や入浴が大変になってきた方

  • 足腰が弱くなって転倒が心配

  • 認知症の症状が出てきて、薬の飲み忘れが増えた

  • デイサービスは利用しているけれど、医療的なフォローもほしい

退院したばかりで、家での生活に不安がある方

  • 大きな手術後で、体力もまだ戻っていない

  • 心不全・COPD・がんなど、再発や急変が心配

  • 病院では医師や看護師がそばにいたのに、家に戻ると心細い

‍ 障がいや難病とともに暮らしている方

  • 自分で通院するのが難しい

  • 24時間の医療的ケアが必要

  • 家族だけでの介護に限界を感じている

最期まで自宅で過ごしたいと考えている方

  • 末期がんなどで「もう大きな治療はしない」と決めた

  • 痛みや苦しさをできるだけ和らげながら、家族と一緒に過ごしたい

  • 「病院ではなく、住み慣れた場所で最期を迎えたい」という希望がある

実は、訪問看護は
**「年齢も病名も幅広く利用できるサービス」**なんです


4. 訪問看護の“いちばんの価値”は「安心感」を届けること

訪問看護を利用されているご家族から、こんな言葉をよくいただきます。

「何かあったら電話できる先があるだけで、夜の不安が全然違います」
「“この状態なら様子を見て大丈夫ですよ”と言ってもらえるだけでホッとします」
「自分の介護が間違っていないか確認してもらえて、心が軽くなりました」

病気や介護の不安の中で一番つらいのは、
**「これでいいのか分からないまま、頑張り続けること」**です。

  • この咳はいつもの咳?

  • この熱は様子見でいいの?

  • こんなに痛そうなのに、どうしたらいい?

  • 私の介護の仕方で、逆に負担をかけていない?

そんな“グルグルする不安”の中に、
訪問看護師がスッと入っていって、

「今の状態はこういう意味がありますよ」
「夜中にこういう症状が出たら、こうしましょう」
「ここまではご家族でも大丈夫ですが、ここからは私たちに任せてください」

と、一緒に整理していく。

この“安心の共有”こそ、訪問看護の真骨頂だと感じています


5. 「もう少し早く知っていれば…」と言われないために

訪問看護をしていて、少しさみしくなるのが、
ご利用が始まってからご家族に言われるこんな一言です。

「もっと早く相談すればよかった…」

  • 介護疲れがピークになってから

  • 何度も救急搬送を繰り返してから

  • 本人も家族も限界ギリギリになってから

こうして訪問看護に繋がるケースも少なくありません。

本当は、
「ちょっと不安になってきたな…」
という早いタイミングで相談していただくほうが、
できることも、選べる選択肢も増えます✨

「まだそこまで重症じゃないから…」
「訪問看護なんて、うちには早い気がして…」

そう思ったときこそ、
一度ケアマネジャーさんや主治医、訪問看護ステーションに
軽く相談してみてほしいなと思います


6. 訪問看護は“家族を責めない・一緒に悩む”パートナーでありたい

ご家族とお話していると、

  • 「仕事と介護の両立がうまくできていない気がする」

  • 「もっと優しくしたいのに、ついイライラしてしまう」

  • 「他の家族はもっとちゃんとやれているんじゃないか」

と、自分を責めてしまっている方が本当に多くいらっしゃいます。

でも、介護は
**「頑張りが目に見えにくい、とてつもなく大変な仕事」**です。

訪問看護師は、

  • 介護のプロであると同時に

  • ご家族の“応援団”でもありたいと思っています

「それ、ちゃんとできていますよ」
「ここまで一人でやってこられたの、本当にすごいことですよ」

とお伝えすることも、私たちの大切な役割です。

私たちは、
**“できていないところを指摘する人”ではなく、
“一緒にどうしたらいいか考える人”**でありたいと思っています


7. まとめ:「家で過ごしたい」をあきらめない社会へ✨

  • 訪問看護は、病気だけでなく“生活まるごと”を支える看護

  • 医療的なケアから、日常生活・ご家族の心のサポートまで幅広く対応

  • 高齢者・退院後の不安がある方・障がいのある方・最期を家で過ごしたい方など、多くの方が利用できる

  • 一番の価値は「安心感」と「一緒に考えるパートナー」であること

もし今、
あなたや大切な人が

「できれば、住み慣れた家で過ごしたい」

と願っているのなら、
訪問看護という選択肢があることを、
ぜひ心のどこかに留めておいてください

「もっと早く相談してよかった」
そう思っていただけるように、
私たちは今日も、ひとりひとりのご自宅にお伺いしています

 

 

 

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